心に居る、大切な人達。

　
　
――シュパアアア！！
　
　


　今の呪文は？



　本来の使い方とは違うんだけどね、今回は時間が無かったから……。



　な、何やったんだよ！？



　……解き放ってあげたの、大切な人の為に留まった魂が、その声を、大切な人に届けられる様にね。
　
　

　これで、終わりだ。疾風……。



　爆炎放射！！



　ッ！！



――ゴバアッ！！




　……え？



　何をしてるんですか！！


――ムギュー！！



　い、痛たたたたた！？　髪を引っ張るな！　髪、を……。



　引っ張るのが当然です、寝坊助さんな第一管理人を起こすにはコレが一番ですからね。



　……コスモ？



　はい！



　そんな、どうして……。



　疾風……。



　スパイラルカノン・マシンガンモード！！



　爆雷滅射！！



――ズドドドド！！
――バリバリバリッ！！



　……！！


――ズザ！！



　え、え！？　



　全く、敵を前に無防備過ぎるんじゃないの？



　せめて、疾風防壁を張ってから話せよな。



　カナメ、カオス、、どうして……。


――ポン。



　あっ！？



　オマエに殺された時にな、廃墟の語り場内に残っていた皆の魂を連れて、オマエに憑依したんだ。



　闇さん！


――ムギュゥ。



　ッ！！



　例えこの身が砕けても、ずっとナオヤさんと一緒に居られる様に。



　観風、、そうだったのか……。



　……。



　まあ、憑依していても言葉とか、、ましてやこんな風に姿をみせるなんて事は出来ない筈なんですけどね。



　恐らく、誰かが外側から干渉して私達の力を増してくれているのだろうな。尤も、それでも長くは保てないか……。


――スゥゥゥ……。



　そんな……！



　まあ、そんな訳でね。悪いけど言いたい事だけ言って、消えさせて貰うわ。



　え？



　……思い悩んでるのは分かるけど、アンタの死なんて誰も望んでないからね？



　責任を取るってんなら、俺達の分まで生きてくれよ。



　……！！


――スゥゥゥ……。



　私達は、オマエが天寿を全うするまで、何時でもオマエの傍に居る。オマエの中で生き続ける。



　だから、ナオヤ。貴方の息子に父親としての生き様を、、第一管理人としての姿を相棒に見せて下さい。



　……。


――スゥゥゥ……。



　ナオヤさん、、生きて！　私の分まで生きて、幸せになって！！



　……皆、、良いのか？


――スゥゥゥ……。



　皆を殺した私が、生きて、、管理人として在り続けて良いのか？



　はい！



　ええ！



　ああ！



　当然だ！



　うん！


――スゥゥゥ……。



　皆……！！



　……ふふ。


――スゥゥゥ……。



　ッ！？　お、おい！　その身体！！



　言った筈だよ、ナオヤ。オマエが自分を殺したいと願う限り、俺は倒せないと。


――スゥゥゥ……。



　逆に言えば、オマエが、再び、生きようと願えば、俺は倒せる。戦う事も無く、、な。



　……どうして消える、、オマエは、もう一人の私じゃないのか？



　俺は、オマエの中の”死への渇望”が、ヒロトの姿を代りて具現化していたに過ぎない。


――スゥゥゥ……。



　生きろ、ナオヤ。俺みたいな存在とは、二度と会うな……。



　……。


――スゥゥゥ……。



　……ああ、生きる！


――……キュイイイイイン！！



　皆と一緒に、私は生きる！！


＜続く＞