廃墟の語り場 30:タイムの語り部
トリコロ、仮面ライダー、その他四コマ萬画やら普通の萬画やらを読んだり語ったり、対話式私信を送ったりする場所です。
作成日2006年4月3日、移転日は2009年5月13日。
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ヒロト
 ヤバい、旧頭から移植しようと思ってた耳、サイズが合わない。


タイム・背中
 そりゃあ、全体的に旧頭より小さく為ってますからねえ。
 
 


 そんな訳で、現在は耳をどうするか思案中です。
 進展してるんだか、後退してるんだか。

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 先日、誕生日占いをやったら似た様な事が書いて有って驚いた暮森ヒロトです。
 どうもこんばんは、今日は丁寧語口調で行くよー。 ←おい

 そんな訳で昨日の今日ですが、タイムの頭部は新造方向へ舵取りしました。
 今までの頭を修復しようとパテを盛ってた訳ですが、コッチはコッチで色々と問題が有り、面倒臭さが新造と大して変わらないと気付き、それなら一から作り直そうかと思い直しました。

 それと、試しに付けた土台ヘッド(装飾一切無し)が何だか可愛らしかったのも大きく影響してです。何と言うか、素体的な可愛らしさ。いっそ未来生命体に進化したとかにして、そのまま使ってしまおうかとも一瞬迷いましたが、流石に止めました。

 そんな訳で現在は、土台ヘッドにタイムの特徴を継ぎ足し中です。
 ……土台ヘッドまんまな顔も、別に用意しとこうかな。これなら作るの簡単だし。 ←おいおい

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 やあ、写真加工での確認って大事さね。
 今回の作業、身体に合わせて頭の方も小型化したら違和感が凄くて、頬と目、どっちを縮めるかって悩んだ末の失敗ですわ。
 写真じゃなくても、せめて本体の目を試しに隠すとかやっとけばなあ。なんてのは、言った所で後の祭りか。そんな訳で大事故発生中なタイムの顔は、取り敢えずのパテ盛りで様子見中。

 それと同時に、余ったパテとスナップボタンで新しい芯材を制作してたり。
 場合によっては新しくしちゃった方が早いかなと思って。出来れば今のままで使い続けたいけど、そもそも現在の頭だって、元々は予備ヘッドだったからね。ソコは切り替える。
 
 でも、やっぱり現在の頭にも思い入れは有るんだよなあ。
 当時、竜型の顔を作れなく為っちゃってた中で漸く完成した、新しい竜型の顔。
 実は最初に予備ヘッドとして作った時は、目がバイザー状の左右一体型で、もうちょいロボット寄りだったんよ。そこに角を生やして左右に分けて、加えてそれまでのタイム(当時はコスモか)の特徴を少しずつ入れてって、、その結果、最終的に切り替えた筈のロボット顔に近付いたってね。

 あー、やっぱり新造は嫌かも。こんだけ長い時間を掛けて改造し続けたもんを、今更一から始めるのは、本当に面倒臭い。

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 一旦完成するも、身体の厚みが気に為る。

 ↓

 前部を切り落としてから本体側の厚みを減らす。

 ↓

 しかし、切り取った前部に磁石が有り、その厚みがまんま残ってしまった。

 ↓

 前部を削る為に磁石を取り除こうとするも、衝撃に耐えられず崩壊。

 ↓

 前部、作り直し決定。

 ↓

 その後、頭の横幅も少し削る必要が出た。

 ↓

 関節と磁石の位置から削れる範囲がかなり狭いと判明。

 ↓

 もし失敗したら顔面作り直しなので二の足を踏む。 ←イマココ




ヒロト
 そんなこんなで、少し作業を停止中。
 いやあ、参ったもんだね。


タイム・怒
 ……。(ゴゴゴゴゴゴ)

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間に合ったー!!

 タイムの改造間に合ったー!!
 そんな訳で、来年の干支さんとツーショット。

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 そんな訳で、私の相棒ことタイムが竜神の戦いにてアスク・ラ・ウドに敗れた後、復活した姿の全身図を紹介。
 
タイム・正面

 ひとつ前(実際にはコレ以降も弄ってるけど載せてなかったりするゴホンゴホン)の姿と比べて大きいのは、手足首と腹部に有ったレッドリング&レッドラインが再び体内に潜った事と、何より、右目に風鉄眼が復活している。
 名前は”改造風鉄眼”で、タイムの強過ぎる肉体再生能力で体内に吸収されてしまい消滅した初代風鉄眼のデータを元に、これまた再生能力で復活させた代物。
 代物と言いつつ、初代が暮森ヒロト製の義眼だったのに対して、改造風鉄眼はタイム自身の再生能力で「風鉄眼の力を備えた眼」として蘇らせた為、完全な肉体の一部である。

タイム・左側

 左目は青色に変化したが、原因不明。以前も赤と青のオッドアイ状態だったが、カオスの力は失われたままである。外見だけ先祖返りしたのかもしれない。
 腕の爪が(実は前回から今回の間に、爪の並びが横から縦に変わってたりしたのだが)遂に二本から一本に減り、代わりに大きく為った。意外と器用に動かすので、生活での支障は出てない。

タイム・右側
 風鉄眼の側面には、初代同様にアンテナクリスタルが出現。周囲の索敵や情報受信をサポートする。

タイム・背面

 うーん、頭が少し歪んでる。こりゃ修正だな。(コレの繰り返し)
 ともあれ、腰部には新たな器官レッドテイルを追加。これも先祖返りと呼べるのか? 微妙なドラゴンアピール。ロストガオンへの搭乗にも微妙に支障を来たしてるので、近い内に消えるかも。(酷い)
 また、踵部分の爪も消えた。復活後、即座にアスク・ラ・ウドとの一騎打ちを演じていた辺り、此方も特に支障はないらしい。


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ヒロトとコスモキラーの戦いは、一見するとヒロトが優勢だった。
 右腕のハンマー、左腕のアームガン、そして胸の鉱石から放たれるエネルギー光線。
 コスモキラーの攻撃は強烈だったが機動力が乏しく、ヒロトはその隙を突いて鉄柱剣技を撃ち込んでいく。

 叩く。
 叩く!
 叩く!!

 だが、何度鉄柱を叩き付けても、コスモキラーを倒す事が出来なかった。
 腕に伝わるのは固い手応え、防御力がズバ抜けていたのだ。

 早くコスモを助けに行かなければ。
 ヒロトは再び、鉄柱を構える。

 それまでの攻撃で、最も手応えを感じた場所を。
 それまでの攻撃を、遥かに超えうる一撃で以て。

 コスモキラーが、攻撃態勢に入る。
 ハンマーでもアームガンでも無い、胸の鉱石から放つエネルギー光線。
 その為の前動作を見て、ヒロトも動く。
 全力を込めた疾風穿孔突を、無防備に晒された胸の鉱石に叩き込んだ。
 爆発、炎上。
 四散するコスモキラー。だが、頭部だけが無傷なまま、空へと消えていく。

「しまった!」

 後を追おうとするヒロトを、地上からの銃撃が阻んだ。
 吹き飛んだコスモキラーの肉体、、その一部、アームガンが独立機動していた。
 追撃を躱しながら、咄嗟に鉄柱を銃口に投げ込むヒロト。アームガンは暴発し機能を停止するが、その頃にはコスモキラーの頭部も姿を消していた。

「逃げられたか……!」

 空を一瞥し悔しがるヒロトだったが、鉄柱とコスモキラーの残骸を回収する為に、再び地上へと降りるのだった。 




 バイオガオンと名付けた機体に、スカイガオンは敗北した。
 相手は近接武器以外を使ってこなかった。故にスカイガオンは距離を保った上での遠距離攻撃にて迎え討ったのだが、大型バーニアとウイング下のエアスリットを利用した”素早い上に細かい動き”を受けて翻弄、気付けば接近を許し、翼のブレイズバインダーを損傷。飛行制御を失い、墜落してしまった。
 自己修復を待っていれば、的と為って終わる。何とかバーニアを利用した滑空で対抗したが、空を飛ぶ度に一方的に攻撃を受け、エネルギーを消費し、、遂にはソレさえ叶わない状況に追い込まれてしまう。

 メインセンサーがバイオガオンの接近を捉える。
 トドメを刺すつもりだろう。だが、今のスカイガオンに迎え討つ手段は一つも無い。

 いや、一つだけ残された手はある。
 自身のエネルギー炉を暴走させて爆弾と化し、相手諸共、自爆する。
 自力での再生さえ不可能と為る、コスモに強く禁じられていた手だったが、逆転の目が出ない以上、使わない事に理由はなかった。

「申し訳ありません、コスモ様……」

 接近するバイオガオン。
 センサーを計り、炉を暴走させるタイミングを数える。
 更に接近、縮まる距離。
 自爆までのカウントも、減っていく。
 エネルギー炉暴走まで、10、9、8、7、6……。

「待て待てぇ!!」

 突然の砲撃が、バイオガオンを吹き飛ばした。
 両者の間に入り込む、一台のマシン。
 スカイガオンと同程度の大きさをした、キャラビラ走行の陸上車だった。
 頭と尻尾の生えた平べったい胴体の上に、背丈と同程度のキャノン砲を乗せている。
 黄色い目が、スカイガオンと見つめていた。

「よお、間に合ったな兄弟!」
「兄弟、、まさか」
「と思うだろ? 俺の名前はランドガオン! オマエと同じガオンだぜ!!」

 そう、彼の名はランドガオン。
 コスモのミニチュワールドでの活動を助けるべく、鳴崎カナメとカオス・ゴジラアレス・リトル・ライオンが共同開発した小型支援機、スカイガオンの兄弟とも呼べるマシンだった。
 第三メカニックルームで待機状態だった彼だが、第二メカニックルームで起きた異変を感知して自主的に起動、ミニチュワールドで発生している戦闘を把握すると、最も距離の近かった――というのは建前で、兄弟であるマシンを優先して――スカイガオンの救援へと駆け付けたのだった。
 
「へへ、取り敢えずは怪我を直さねえとな!」

 ランドガオンはキャノン砲をスカイガオンに向けると、紅い光を放った。
 無論、ソレは攻撃ではない。朝陽の欠片を元に、カナメが開発した修復光線だった。
 しかし、本来はコスモに使用される事を前提としていた装備である。
 そして、スカイガオンには元より自己修復機能が備わっている。

 結果。

「これは……!」

 光を浴びたスカイガオンの身体が、みるみる姿を変えていった。
 高出力の修復光線と自身の修復機能、何より目の前に存在する敵に対峙しようとする、強い意志。
 交差した力は過剰進化を促し、スカイガオンに新たな翼を与えたのだった。

「いけるか? 兄弟」
「ええ、行きましょう!」
 
 ほぼ同時に、バイオガオンも砲撃で受けたダメージを回復させ、再び飛翔した。
 迎え討つ様に跳び上がるスカイガオン。ソレを見上げながら、ランドガオンもキャノン砲を構える。
 
 ダブルガオンの反撃が始まった。

 変わらぬ機敏な高速移動を行うバイオガオン。だが、スカイガオンの新たな翼は鳥の羽ばたきにも似た”風のしなり”を纏わせて、その動きに付いて行った。
 そして地上からは、ランドガオンが援護砲撃を連射している。
 地に這う物が空飛ぶ物を狙うのは難しい。だが、弾幕によって相手の動きを封じる事は出来るからだ。
 
 逃げ道を塞がれ、動きが鈍ったバイオガオン。
 ソレを機と見て放った、スカイガオンとランドガオンの攻撃が命中する。
 爆発。巻き上がる黒煙。
 
「やったぜ!」
「未だです!!」

 勝利を確信したランドガオンを制し、スカイガオンがセンサーで黒煙内部を探る。
 すると案の定、猛烈な勢いで黒煙内を上昇する機体を捕捉した。
 直後、上空へと飛び出すバイオガオン。だが攻撃を再開する事は無く、一目散に宇宙へと逃げて行く。

「待ちやがれっ!!」 

 逃げるバイオガオンに向かってランドガオンは砲撃を放つが、、攻撃が届く事は無く、バイオガオンは宇宙の彼方へと消えた。

「畜生、逃がした!」
「敵を退ける事が出来ました、上出来です」

 悔しがるランドガオンを宥めるスカイガオンだったが、言葉とは裏腹に、その心境は穏やかでは無かった。
 ランドガオンの不意打ちを喰らった時のバイオガオンは、修復の為に暫しの時間を要していた。だが、今の同時攻撃に関しては、攻撃を受けた直後にも拘わらず高機動を保ち、戦場より撤退して見せた。
 恐らく、攻撃を感知出来ていれば、防御する手段はあったのだろう。二体の同時攻撃を受けて尚も平然としていられる程の、とても強靱な盾を。

 なのに、あの怪物は撤退した。
 突如として自身の前に出現して敵対行為を取り、一度は機能停止寸前にまで追い詰めながら、予定外の援軍が来たからとは云え、未だ対抗手段を残しているにも拘わらず、、トドメを刺さずに撤退する。

「バイオガオンの目的は……」




「……はい、分かりました。それじゃあ後で、はい」

 コスモはアンテナクリスタルから手を離すと、安心したとばかりに息を吐いた。
 目の前の敵を倒す事に夢中で、別の場所で戦っている二人の事をスッカリ忘れていたのだ。
 慌てて通信を送ると、二人も敵を撃退したばかりで、これからコスモの元へ向かうとの返事が来た。戦利品だの、兄弟だのと、それぞれ何かしらの収穫があったらしいが、詳しく聞くのは到着を待ってからだ。

「「きゃあっ!」」

 突然、巫女姉妹が悲鳴を上げた。
 慌てて駆け付けるコスモ。
 彼女達の前には、力尽きた筈の、アスク・ラ・ウドの遺体があった。

「これは……!」

 その姿を見て、コスモは驚愕する。
 何時しか身体を焼いた筈の炎が消えていた。
 黒炭と化している筈の皮膚が、再生されていた。
 そして両断された身体が徐々に近付き、接合されていた。

 魔獣はあれだけの損傷を受けながら、尚も身体を再生させようとしていた。
 
 その光景を暫し見つめていたコスモだったが、やがて左腕を伸ばすと、その先にエネルギーを集め始めた。

「このままにしては、おけませんね」

 コスモは集まったエネルギーを、アスク・ラ・ウドの身体へと照射した。
 光がアスク・ラ・ウドの身体を包み、巨大な球体へと変わる。
 ソレを両手で支えながら、コスモは空へと舞い上がる。
 
「コスモよりヒロトとスカイガオンへ、コスモよりヒロトとスカイガオンへ!
 面倒な落し物を拾いましたので、一足先に帰ります。
 向こうで落ち合いましょう」

 ヒロト達への通信を終えて、巫女姉妹にも挨拶をしてから、コスモは始まりの星を後にした。
 ぐんぐん小さく為っていく、竜神と球体。
 その姿を、キリエとミライの二人は何時までも見送っていた。
   
 
<終了>

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 暫し炎上するアスク・ラ・ウドを竜王を構えたまま見つめていたコスモだったが、、やがて、一息吐くと共に緊張を解いた。
 魔神と竜神の戦いは、終わった。
 
「馬鹿な、、こんな、魔神が、そんな……」
「さあ、貴方の竜神について教えて貰いましょうか」

 切り倒されたアスク・ラ・ウドを、呆然と見つめる”自称”竜神の使い。
 コスモは彼に刃を向けて問い質す。桜ロイドに加えてアスク・ラ・ウドを倒した今、彼にはもう抵抗する手段は無い筈。

「いやあ、御見事、御見事」

 その声は唐突だった。 
 気の無い拍手と共に聞こえて来た、謎の賞賛。
 コスモが声の方に向き直ると、そこには一人の”竜”が居た。
 黒い身体に黒い翼を持った、白い目の竜が。

「貴方は……?」
「おお、竜神様!!」

 男は現れた竜の元へと駆け寄り、深々と跪いた。
 その仕草でコスモも察する。コイツこそが男が言う竜神であり、今回の騒ぎを起こした黒幕であると。

「申し訳ありません! アスク・ラ・ウドまで授けて頂きながら、私は……」
「いやいや、良くやってくれたよ。御陰で、もう一人の竜神の戦い方、随分と見る事が出来た」

 竜神は跪いたまま謝罪する男を笑って許してから、コスモの方へと向き直った。
 変わらぬ微笑に対して、向かい合うコスモは真顔。

「初めまして、コスモ君。噂は聞いてたけど、それ以上だね。まさか、アスク・ラ・ウドを倒してしまうとは思わなかった」
「それはどうも。褒めて頂き恐縮ですが、此方としてはソレより先に、聞きたい事が色々と」
「ああ、コレは失礼。僕の名前はタバオサ。彼、、ツマゴの言う様に、竜神をしている」
「”自称”竜神」
「君と同じさ」
「生憎ですけど、俺は他称です」
「ああ、そうだったね。失礼した」
「何故、アスク・ラ・ウドを使い他の惑星を凍り付かせたりしたんですか? まさか、神様ゴッコで神罰を下した、、なんて事でも有るまいし」
「そうすれば、事態を収拾する為に動く竜神が居るから、、かな?」
「……つまり、俺をおびき寄せる為に?」
「そう」
「だったら直接、俺を狙えば良かったでしょう」
「僕もそう思ったんだけど、、君が竜神として、どう動くかも、知りたかったんだ」
「……そうですか。なら序でにもう一つ、、その事を知った俺が元凶と対峙した時、どう動くのかも、教えて上げましょうか」


 コスモは竜王を構え、臨戦態勢を取った。
 彼等の狙いが自分であり、また、その為に多くの生き物を惑星規模で犠牲に出来ると知ったからだ。


「悪いけど、今、コスモ君と戦うつもりは無いよ? アスク・ラ・ウド程度に負ける位ならそれまでだったけど、それ以上だった訳だからね。計画続行さ」
「計画?」
「それに、情報は十分に集まった。新たな力まで見せて貰えた。これなら、あの人も十分に喜ぶだろう」
「あの人……!?」

 コスモは驚愕した。
 次の瞬間、タバオサとツマゴの姿が忽然と消えたのだ。視界は元より気配も探れず、風鉄眼のセンサーにも反応が無い。
 まるで、その場に出現した時と同じ様に、唐突に。
 
「……逃げられましたか」

 コスモは悔しそうに呟きながら、竜王を解除した。
 彼等の言葉を信じるなら、今回はアスク・ラ・ウドを捨て石として使った襲撃と、戦闘データの収集が目的だったのだろう。

「タバオサ、ツマゴ……」

 2人の名を呼びながら、コスモは虚空を睨み付けるのだった。

<続く>

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竜神の敗北に、キリエとミライはショックを隠せなかった。
 コスモの元へと駆け寄る二人。必至に声を掛けるが、コスモからの返事は無い。
 その姿に”自称”竜神の使いは勝利を確信するが、念の為にと、コスモの死体の完全破壊をアスク・ラ・ウドに命じる。
 迫る魔神から、竜神を庇う巫女姉妹。

――二人ごと消し去れ。

 ”自称”竜神の使いに命令され、アスク・ラ・ウドが迫る。
 


 消し炭と為りながらも、コスモは生き存えていた。
 重傷を負った体は、既に再生を始めようとしていた。
 だが、その機能を自らの意志で抑え付けていた。

 このまま再生しても、勝てない。

 コスモの意識は、長く続く道の中を進んでいた。
 トライクロスとして成長、進化する度に増えていった、遺伝子の道を。
 その中に眠る、魔神に対抗しえる手段を探して。

 やがて、コスモが辿り着いたのは、アスク・ラ・ウドとの最初の戦い。

 炎が効かない事に動揺して避け損ねた攻撃、その直撃で潰されてしまった右目。
 直後に暮森ヒロトに助けられ、逃げろと言われるも駄々を捏ねて戦場に残った。
 相手に抗う術を求め、本来はモノクルとして使用する筈だったモノを、義眼として埋め込んで貰った。

 それは嘗て、コスモが魔神と戦った際、大事な相棒から授けられた力。
 それは嘗て、進化と再生の中で吸収し、その身から失われてしまった力。

 それは、風を操る鋼鉄の眼。
 


 何かを感じ取ったのか、突如としてアスク・ラ・ウドが咆哮を揚げた。
 前足を大きく振り被ると、コスモを姉妹ごと踏み潰そうとする。
 両目を瞑り、竜神の身体を抱き締めるキリエとミライ。
 魔神の前足が、振り落とされた。

 衝突音。
 
 眼を開いた2人が見たのは、アスク・ラ・ウドの一撃を止めた、緑色の装甲だった。
 ソレは風を圧縮して作られた鉤爪で、2人の間から突き出されている。
 構えているのは当然、2人が庇った竜神だ。

「風神竜王・絆!!」

 ソレが、鉤爪の名前だった。
 叫びと共に暴風が巻き起こり、アスク・ラ・ウドは大きく吹き飛ばされた。

「竜神様が……」
「生き返った!!」

 姉妹の前に立つ、コスモ。
 黒炭から完全に回復した姿に、キリエとミライは安堵の笑みと涙を浮かべた。

「ば、馬鹿な……」

 一方、動揺を隠せないのは”自称”竜神の使いだった。
 コスモが再生した事もだが、その姿が以前と変わっていた。
 特に彼が注目したのは両目だ。
 左目は青く染まっているのは、未だ良い。しかし右目は、緑色の装甲に金色のアンテナを持つ異形の姿へと変わっていた。
 彼は緊張した面持ちで、魔神に関連する情報内で見掛けた、ソレの名を叫んだ。

「風鉄眼!」
「ええ、その通り。正確には、、改造風鉄眼、とでも言いましょうか」

 コスモは、自身の再生能力を使い、風鉄眼を再生させたのだった。
 今度は義眼としてでは無く、己の肉体の一部として。

「さあ、決着を付けましょうか」

 コスモは起き上がるアスク・ラ・ウドを見つめながら、右腕の風神竜王・絆を解き、今度は左腕を構えた。そして、叫ぶ。

「真炎刃・竜王!」

 先ず最初に出現したのは、エネルギー増幅機能を持つギジハイカタクリスタル。そこに風を圧縮具現化させた装甲が加わり、、最後に、炎の刃が出現した。

 風鉄眼の影響を受け、竜王も形を大きく変えていた。
 無論、変わったのは形だけでは無い。

 対峙する竜神と魔神。
 先に動いたのはアスク・ラ・ウドだった。猛然と突進。両者の距離が一気に縮まる。
 コスモは動かず、唯々待つ。
 縮まる距離、刹那。
 突き進む魔神の角を、顔を、身体を、竜王の一撃が両断した。

 ギジハイカタクリスタルと疾風装甲。
 二つの増幅装置で力を増した炎の刃は、吸収される事無く、アスク・ラ・ウドを打ち破る事に成功した。

「竜王必殺剣・爆断!!」

 宣言と同時に、爆発。
 甦りし魔神は、再び竜神の手で倒されたのだった。

<続く>

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 コスモは左腕に真炎刃・竜王を展開させ、アスク・ラ・ウドに斬り掛かった。
 刃は魔神の肌を傷付けるが、、傷は即座に修復され、逆に竜王は刀身を大きく抉られていた。斬り付けた瞬間、エネルギーを吸われたのだ。
 ならばと、今度は侵炎破を放つ。相手のエネルギーを吸って威力を増す、闇の属性を持った炎。
 だが、炎は一向に大きく為らず、やがて小さく縮んで消えた。エネルギーの吸収力は、アスク・ラ・ウドの方が上だった。

「「竜神様!!」」
「はっはっは、無駄ですよ無駄! 貴方の技は全て、このアスク・ラ・ウドには通用しません!! 仲間も駆け付けず、装備も使えない今、貴方に勝ち目は無い!!」

 巫女姉妹の悲鳴と、男の勝ち誇った笑いが響く。




 コスモが苦戦していた頃、ヒロトは漸く各地での敵襲を鎮圧した。
 即座にコスモの元へ向かおうとして、、その前に、一人のロボットが立ち塞がった。
 灰色と黒い装甲。左目は青く、右目が存在するべき場所は緑色のパーツで覆われていた。
 両腕に打撃武器と銃撃武器を一体化させた、一目で戦闘用と分かる姿。
 更にヒロトは、その左腕に一体化した銃撃武器を見て驚いた。
 それは嘗て、彼がコスモ用に開発を進め、最終的に廃棄処分とした義手パーツとほぼ同じ形だった。

「どちらさん?」
「……コスモキラー」

 無機質な声で応える、コスモキラー。
 其の名と、其の姿。ヒロトは鞘に収めた鉄柱を再び抜き、構える。

 コスモの救援には、未だ行けない。




 同じく敵襲を鎮圧したスカイガオンの元へも、新たな刺客が訪れていた。
 自分と同じ戦闘機タイプの姿で、大型の翼に一対二本の太い爪が生えていた。
 長く伸びた銀色の首と、灰色の大型バーニア。翼の後方と頭部に生えた、金色の角。
 検出される、生体反応。
 不気味なのは、スカイガオンの認識回路は目の前の機体を彼の主人であるコスモと認識している事だった。
 実際、その機体には所々、嘗てのコスモに類似している部分を確認する事が出来た。
 生体反応を持ち、機械の身体を持ち、主の姿を持つ謎のキメラ。宛ら、マッドサイエンティストが繰り返される実験の中で産み出した、恐怖の融合体。

「バイオ、ガオン……」

 スカイガオンは不意に、目の前の機体をそう呼んだ。不思議と自然に、其の名が浮かんだのだ。
 バイオガオンは長く伸びた緑色の牙から耳障りな音を出して、スカイガオンへと襲い掛かる。
 大型バーニアがもたらす豪速の一撃を躱しつつ、スカイガオンは迎撃態勢へと移った。

 コスモの救援には、未だ行けない。




 廃墟の語り場では、カナメが第二メカニックルームに急いでいた。
 強化改造途中のロストガオンとガオンマグナムを完成させ、コスモの元へ届ける為である。
 彼女(とディアン、そしてカオス)は本来、コスモ達がミニチュワールドで行っている神としての行動には参加していない。
 しかし、ここ数日の間に起きた二つの事件については聞かされており、またコスモ達が分断された状態で緊急出動した事も知っていた。

 嫌な予感がする。
 
 妙な胸騒ぎを憶え、彼女はコスモを援護しようと動いたのだった。
 やがて第二メカニックルームに辿り着いたカナメだったが、そこには呆然として佇むミラージュの姿が在った。
 その視線の先を見て、カナメも戦慄する。メカニックルーム内は破壊され、改造中だったロストガオンとガオンマグナムも、大きく損傷していた。
 続けて駆け付けたカオスも、余りの惨状に言葉を失う。

「何が有ったの!?」
「分かりません、、爆発音がしたから、来てみたらコレで……」
「爆発音!?」

 ミラージュの言葉に驚く二人。
 つまり、廃墟の語り場内にメカニックルームを爆破した何者かが潜入しているのか。
 だとすれば最早、コスモの援護を行う余裕は無い。
 カナメ達は犯人の捜索と、観風や子供達を始めとする非戦闘員を護る為に、それぞれ走り出した。
 
 突然の事態への混乱からか、カナメ専用の第三メカニックルームに居た”彼”の動きに、彼女等は気付く事が出来なかった。
 
 

 
 コスモは体術を使い、アスク・ラ・ウドを攻撃していた。
 相手の突進を避けて殴り、その反動で浮き上がってからの蹴り、更には再接近して投げ飛ばす。
 だが、その全てがアスク・ラ・ウドには通用しなかった。
 元より固い装甲、加えてエネルギー吸収能力。コスモの攻撃は、彼の技が触れた瞬間に吸収されるエネルギーで、ほぼ相殺されていたのだ。
 
 それが分かっていながら、コスモは攻撃を止めない。
 始まりの星をアスク・ラ・ウドのエネルギー吸収から護る為だ。
 魔獣のエネルギー吸収は生理現象であり、今この瞬間にもエネルギーは吸われている。だが、それとは別に自分の意志で対象を選ぶ事も出来る。敵を迎撃する武器としても使えるのだ。その照準を、この星に向けさせる訳には行かなかった。

 そして、コスモには狙いがあった。効果の無い攻撃を続ける事で相手の隙を誘い、その瞬間に最後に残された攻撃手段を行おうとしていたのだ。
 
 クリスタルフラッシュ。
 
 胸のハイカタクリスタルでエネルギーをチャージし、何倍にも増幅して放つ、コスモ最大の必殺技だ。
 アスク・ラ・ウドは攻撃を吸収するが、高威力の技ならば身体を傷付ける事が出来ると、真炎刃・竜王での斬撃で気付けた。
 
 だから、その数倍の威力を誇る光線を放てば、或いは……。
 
 正直な所、クリスタルフラッシュでもアスク・ラ・ウドに通用するかは怪しい。
 それでも、このまま消耗するだけの戦いを続けるよりはマシだった。

 何度目かの投げ。
 だが、今度はそれまでと違った。

 一つは、アスク・ラ・ウドの落ち方。
 尤も装甲が薄いだろう腹部に命中させる為、仰向けの状態で倒さなければ為らない。
 
 もう一つは、アスク・ラ・ウドの位置。
 現状のエネルギー量でクリスタルフラッシュを放てば、その後の戦闘続行はほぼ不可能に近かった。
 姉妹を護る為にも、最後の一撃で魔神と、魔神を連れて来た自称竜神の使いを同時に倒さなければ為らない。

 仰向けに投げ落とされたアスク・ラ・ウドと、自称竜神の使いが直線上に並んだ。
 条件が揃った。
 コスモはアスク・ラ・ウドとの距離を縮めながら、構えを取る。

「クリスタルチャージ!!」

 ハイカタクリスタルにエネルギーをチャージさせる、光線発射前の動作。
 その一瞬の隙を突く様に、アスク・ラ・ウドが動いた。
 上半身を即座に起き上がらせて跳躍、迫り来るコスモとの距離を一気に縮ませ、無防備なハイカタクリスタルに、自身の角を突き刺した。

「ぐはっ!?」

 それだけでは終わらない。
 更には自身の持つ膨大なエネルギーを、角を通してコスモへと撃ち放った。
 エネルギーはハイカタクリスタルで増幅され……。

 角の一撃と爆発を受け、コスモは宙へと投げ出された。

 そのまま、地面へと墜落する。
 全身から、逆流したエネルギーを吹き散らしながら。
 燃え尽き、黒炭と化した姿を晒して。

 竜神が、敗れた。
 
<続く>

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