Ａｎ ｉｍｉｔａｔｉｏｎ。

　

　観風～♪（むぎゅぅ）



　ナオヤさーん～♪（すりすり）



　……。
　
　

　やれやれ、ナオヤさんもヒロトさんと対して変わらないらしいな。



　えっと、、あの二人は無視して良いので続けて下さい。
　


　ああ、分かった。此方での騒動について知り得ている限りの事は話そう。

　

　私も、向こう側の現状を教えとくわね。
　　
　

＊



　……それで、何の用だ？　杏璃殿とボビー殿の現状説明を、私も聞いておきたいのだがな。



　いや、悪い。ちょっとばかし気に為ってな。



　初めに確認しておきたい、、オマエは”向こうの世界”の闇丸だな？



　ああ、そうだ。剛獣丸の弟にしてキャプテンＺの兄、、無論”向こうの世界”のだが。



　じゃあ、、オマエは正真正銘、俺達の知る闇丸なんだな。



　ん？　どう云う意味だ。それではまるで……。



　言ったままだ。此方の廃墟の語り場に存在する闇丸は……。



＊



　……って訳。それに騒動後に出現した多数の不穏分子は、ミコトさん達が蹴散らしてるから。



　ふう、ミコトさん達に感謝だな。これなら、戻れば直ぐに更新再開が出来るぜ。



　直ぐに戻れれば良いんだけどね。（カチャカチャ）



　んあ？



　……この感覚は！



　これは、闇の力か？　だが、確か相手の力は光だった筈……。



　ええ、スパイラルカノンのレーダーにバッチリ映ってるわ。光丸だっけ？　の傍に闇の反応が在るけど、、それとは別の所で、もう一つ戦ってる。



　じゃあ、この闇の力は！？



　待って、、闇じゃない方に二人加わった！　



　……レスプコ星人だろうな。チッ、闇さんから更に上へ擬態しやがったのか。



　分かるの？　ナオヤさん。



　ああ、此方の闇さんとは一度戦ってるからな。それに光丸陣営に居た時に得た情報も在る。恐らく奴と戦ってるのは、あざみさんだ。



　っ！！



　其処に駆け付ける二人って事はＷライダーか、、みいなさんとヒトシさんだろうな。



　カナメ殿、場所は何処だ。



　助けに行くかい？　まだ似非ライダーとの戦闘ダメージが残ってるだろうに。



　ふ、、この程度なら疲れの内にも入らん。



　コッチにも、色々と迷惑掛けたからな。今更ん為って「俺達の問題は終わったから帰るぜ」って訳にもいかねえだろう。



　偽者とは云え、相手が闇丸さんなら戦力は多い方が良いでしょうしね。



　まあ、メッセンジャー役だけで終わるつもりは無いわよ？



　相手を考えるとスパイラルガンの方が良さそうね、変更しとこうっと。



　私も行くよ？　だって、ナオヤさんもそのつもりなんだろうし。（むぎゅう）



　……ああ、そうだな。



　所で、こっちの闇丸は何処に行った訳？



　そう云えば、、此方の剛獣丸さんとキャプテンＺさんも居ないな。


＊



　成る程な、それで”偽者”か。それで何故、私にそれを確かめた？



　ああ、、オマエだったら共鳴とか何とかで探せるんじゃないかと思ってな。本当の”闇丸”をよ。



　我等で行ける所は全て回った。敵陣に潜り込み情報も探った。だが、一向に行方が分からん。



　頼む！　兄の頼みを聞いてくれ！！



　別次元の、だがな。まあ、別に構わんぞ。



　本当か！？



　ああ、、だが。



　だが？



　……先に、もう一つの紛い物を壊すのが先だ。闇丸・転移術！！


――シュン！！



　なっ！？



　……もう一つの紛い物？


＊



　……！？



　へえ、この反応は。



　義勇暗闇大将軍の、、反応だと？



　ふふ、どうやらコスプレ好きの宇宙人が着替えたみたいだね。



　愚かな、、紛い物の剣で斬れる物は無い。



　あはは、君がそれを言う？　闇丸の紛い物さん。



　……。



　可笑しいとは思ってたんだ、君が誕生した時のヒロトの台詞。彼は”深層心理から帰還した”と言っていたけど、、本物の闇丸は遙か別の時空へ旅立っている。



　……そんな昔から、このサイトに潜伏していたんだな。



　話を逸らすなよ。君は、暮森ヒロトの記憶を元に創られた”闇丸のコピー”だ。



　……そうだと分かっていながら何故、私と戦う？　オマエの言う”闇丸”と”私”は別人だろうに。



　ふふ、、僕はね、闇丸って存在全てが嫌いなのさ。例えコピーでも、君が闇丸な事に変わりは無いんだ。



　……逆恨みか。



　君こそ、どうして”闇丸”として此処に居る？



　……さあ、どうしてだろうな。


――シュタ！



　冥土の土産に困った時にでも、教えてやろう。



　……ああ、そうだね。


――カチャ。



　君の現世への置き土産として、貰っておくよ。


＜続く＞