私が行った「いじめ」からの脱出方法。

　最近はニュースを観ると、いじめによる学生の自殺という話が良く出る。それを観る度に心が痛む。

　実は私も、高等学校一年生の時に「いじめ」に遭っていた。

　以降は、私の遭ったいじめと、それが終息する流れを記しておく。もしもこのブログを観ている方で「いじめ」に遭っている人が居るのなら、自殺を考える前の参考の一つにでもして貰いたい。

　尚、初めに言っておくが「いじめ」を行う者との会話による解決は、私としては薦められない。
　彼等は「いじめ」という低能行為を平然と行えるクズ共である。そんな奴らが会話などという行為を行えるか否かは、、自然と想像が付くだろう。

　奴らを人間だなどと過大評価するな。さしずめ「ちょっと頭の良い野生の猿」と考えていた方が、対処しやすい。

○事の始まり○

　高校一年は二学期の終わり、とある日から突然、紙球とエアガンによる射撃の的にされてしまった。
　まず授業中、雑誌のページを丸めた紙球が背中に投げられる様になり、更に休み時間、エアガンの的にされた。
　椅子などに唾を吐かれた時もあったな。掃除中に蹴られた事も。

　この時「いじめ」を行った連中はクラスの問題児が数人。片手の指で数えられる程度だ。それでも、周りに悪乗りする連中と怖くて逆らえない連中、触らぬ神に…な連中が居た。
　最初の時は苛立ちながらも、下手に刺激して行為が激しくなる事を恐れたのと、冬休みが近い事もあり、教師にも相談せずに我慢していた。
　冬休みを挟めば、自然に「いじめ」もなくなると想っていたのかもしれない。

　しかし、三学期の初めの日も「いじめ」は遭った。しかも、上記の悪乗り怖逆触神を利用して、学級委員なんてモノを押し付けてきた。
　

○精神状態○

　さて、私は「いじめ」に遭っていても、自殺をしようとは想わなかった。
　つまり終始、残された者への配慮が出来るだけの余裕があった。
　唯、相手を刺してやろうかとは、「いじめ」に遭った当初から考えていた。
　家にあった包丁を、何度カバンに入れようとしたか分からない。
　液状洗剤を混ぜた毒ガスでも撒いてやろうかとも考えた。
　毒物関連の本を読み、相手を殺す毒物を必死に調べた。　
　クラスの連中を巻き込んでも良いから、奴らを殺したい。そう本気で考えた。

　…改めて考えてみると、想いのほか余裕が無かったようだ。


○私が行った対処法○

　上記の様に色々と調べてみたが、結局わたしはそれを実行しなかった。その代わり、三学期二日目から、とある行動を行った。

　不登校。つまり、「いじめ」の現場から逃げたのだ。
　
　朝普通に家を出て、途中の公衆電話から学校に欠席の旨を伝えて、街を走る。そして、下校時間少し前に家に帰る。
　
　対処などと言っているが、初日に学校へ行かなかったのは完全に咄嗟の判断だった。その日は雨で自転車の足も遅く、、気分も重たかった。
　だから途中までは学校へ行く道を走っていたのだが、まるで道に迷う事を望むように横道に入り、途中にあった公衆電話で欠席の旨を学校に伝えて、そのまま休んでしまった。

　その次の日――三日目――からは、最初から学校へ行く気は無かった。


○不登校○

　正直、辛くもあり、楽しくもあった。

　楽しいというのは。私の知らない場所を自転車で走る時と、普段ならば外にいない筈の時刻に外を走るという興奮。
　辛いというのは、いつ「いじめ」が終るか、いつ学校側に不登校がばれるか、親にばれてないだろうか、、等といった不安と、冬の寒さという物理的なモノの二つ。

　楽しいなどというが、やはり辛さの方が圧倒的に多い。


○効果○

　はっきし言って、その行為自体に「いじめ」を止める効果は無い。唯、自身の身を守る事と、周り(教師)を動かす事は出来る。
　私の場合は、不登校五日目――三学期六日目――に、私が不登校である事が学校側にばれた。
　結果、私は学校に呼ばれて担任教師と「いじめ」についての話をした。この時、その教師は「いじめ」の事実を掴んでなかった(私の被害妄想だと思い込んでいた)のだが、とりあえずクラスとは別の場所で自習を行う事が決定した。

　次の日から約五日間、私は実習室(謹慎室と言った方が正しい)での自習を行っていた。
　登下校時に、時折クラスメイトと鉢合わせをしたりもしたが、特にイザゴザは無かった。


○転機○

　実習室への登校五日目――三学期十一日目――の朝、担任教師が飛んで来た。
　前日の放課後、私への「いじめ」の主犯格だった男が私の友人をエアガンで撃ち(つまり私の代わりにしようとした)、友人が怒って職員室に飛び込んだ。
　その為、主犯格だった男は謹慎処分となり、私はその日にクラスへと戻された。
　正直、クラスに戻るのは怖かったのだが、私の友人達はまだ、私の友人でいてくれた為に助かった。

　余談だが、担任以外の教師に私の自習室行きの理由は話されていなかったらしく、クラスに復帰後は殆どの教師から「サボり」と呼ばれた。


○主犯格だった男の結末○

　さて、クラス復帰後暫くして、私は喉の手術(扁桃腺摘出)の為に一週間学校を離れた。
　その時に主犯格だった男の謹慎は解かれたらしく、退院後に私が学校に行くと、普通にクラスの中にその男が居た。
　唯、かつて男の周りに居た者は誰も居らず、今度はその男がクラスで孤立する事になった。

　そして二年の一学期、その男は学校を辞めた。


○私から言える「いじめ」への対処法○

　以上が、私の体験した「いじめ」とその結末である。文章の一部が狂っているのは、当時の記憶が蘇り、主犯格のクズへの怒りの為だ。

　ここまで読んでくれた方なら分かるだろうが、、私は何もしていない。いや、出来なかったという方が正しいだろう。私には、その場から逃げる事しか出来なかった。
　
　正直、「いじめ」を個人の力で解決するのは、やはり難しい。というよりも無理だと想う。
　
　だから、教師などの大人を頼って欲しい。もしも耳を貸さないのなら、警察や教育委員会などにも、訴えて欲しい。

　どうしても、誰にも言い出す事が出来なかったら、逃げれば良い。そうすればいずれ、教師達は嫌でも君の話を聞かなければならなくなる。

　少なくとも、自殺をするよりもずっと楽だ。

　手首に剃刀を当ててみて欲しい。その感触は冷たいし、何よりそんな震えた手では、綺麗に血管を切る事は出来ない。
　薬か？　止めて置いた方が良い。胃袋の一部に過剰摂取した薬が溜まっている感触は、胃袋が硬くなっていく様におぞましい。

　自殺をするくらいなら、逃げろ。
　今なら、マスコミだって味方をしてくれる筈だ。
　自分が悪い訳ではない事を忘れないで欲しい。