私の妄想した漫画版仮面ライダーblackの続き。

　以前にツイッターで呟いた物を転載。

　未来での哀しい戦いを終えた南光太郎は、タイムワープで元の時代へと戻される。
　彼が辿り着いたのはルーマニアではなく自宅のベッドだった。あの最悪の未来を回避出来る可能性が有ると喜ぶ光太郎。
　が、既に信彦は洗脳されており、サムとケイトを人質に光太郎との決闘を挑んで来た。
　勝負は翌日。
　光太郎はどう応えるべきか悩むが、、その中で、一つの決心をした。

　翌日。
　指定された場所に光太郎が行くと磔にされたサムとケイト、そして彼等の前に立つ信彦の姿が有った。
　変身して戦う光太郎と信彦。
　二人の戦いは互角かと思われたが、未来で魔王と戦った光太郎の方に分が有った。
　信彦を追い詰めた光太郎。だが、トドメを刺す事が出来ない。
　その隙を突き、信彦の拳が光太郎を貫く！

　光太郎の変身が解ける。
　そのまま崩れ落ちそうに為りながら、両腕で信彦の肩を掴み、叫んだ！

「オレの力は、オマエにやる。だが、オレの想いも受け取って貰うぞ、信彦！！」

　光太郎は自身の記憶、心、魂、、を思念波へと変えて、賢者の石から放っていた。
　その直撃を受け、信彦の洗脳が解ける。

　これこそ、光太郎が一晩考えて辿り着いた結論だった。
　自分に信彦は殺せない、だが魔王を誕生させる訳にもいかない。
　だから、自分の想いと力を、信彦に託そう。
　彼が洗脳から解け、自分の代わりに世界平和を護ってくれると、ゴルゴムと戦ってくれると信じよう。

　変身を解き、信彦は光太郎を抱き抱える。
　その両目に光る涙を見て、光太郎は自身の策が成功したと確信、、安堵の笑みを浮かべながら力尽きた。
　 二人の勝負を見守っていた怪人達が、信彦の勝利に沸く。
　続けて捕えられていたケイトとサムを処刑しようとするが、それは信彦の手で遮られた。

　信彦はサムとケイトを解放すると、彼等を背に、怪人達と向き合いながら宣言する。

　これからは自分が光太郎の代わりに、仮面ライダーに為ると！

　 変身。
　その姿は飛蝗男ではなかった。
　光太郎の与えたエネルギーと信彦の決意が新たな力を呼び覚まし、銀色の甲冑を纏った様な姿に変わる。
　仮面ライダーブラックに続く二人目の仮面ライダー、シャドウの誕生である。
　怪人達を蹴散らすシャドウ。
　生き残った怪人達は決闘場を爆破し、逃亡する。
　決闘場が崩れる中、サムとケイトを抱えて脱出するシャドウ。
　だが、光太郎の亡骸を連れ出す事が出来なかった……。
　
　光太郎の亡骸は、瓦礫へと沈む。

　光太郎が目を覚ますと、彼は暗い空間の中に居た。
　その中に浮かぶ光、南十字の輝きを宿したオパールだった。
　声が響く、フィーチとグムだった。
　彼等は魔王亡き未来でゴルゴムの進行を食い止める事に成功、世界は平和な時を取り戻していた。
　そして二人は、今度は光太郎を助けようと念波を送ったのだ。

　光太郎の腹部に収まるオパール、そこへフィーチとグム、未来の人々の想いが力と為って注がれていく……！

　 決闘場後を呆然と眺める信彦達。
　そこに、新たな怪人達が追撃の為に現れる。
　再びシャドウへと変身して迎え討つ信彦。
　その戦いの最中、突如として瓦礫の一部が吹き飛んだ。

　一同が注目する中、瓦礫の中から現れたのは光太郎だった。
　 変身する光太郎、その姿は飛蝗男ではない。
　未来人のエネルギーを受けた身体は黒い甲冑を纏い、腹部にオパールから変化した奇跡の石「キングストーン」を拵えていた。
　仮面ライダーブラックが新生した瞬間である。

　ブラックとシャドウのダブルライダーは、瞬く間に怪人達を全滅させる。
　サムとケイトが見守る中で、変身を解く光太郎と信彦。
　信彦は洗脳中に行ってしまった事を謝罪し、光太郎はソレを許した。
　そして二人は固く握手を交わすと、改めてゴルゴムの壊滅を誓うのだった。

　一方その頃、東京では一人の青年がいた。
　彼の名は風谷光二、嘗て”現実世界の仮面ライダー”として、同じく”現実世界のショッカー”と戦った。
　彼はショッカーの様に暗躍するゴルゴムの存在を悟り、新たな戦いへと挑もうとしているのだった……。

＊
　
　以上、勢いのままに書いた萬画版仮面ライダーBlackの続き妄想でした。
　私的には、あのラストってそこまで悲観的に捕らえる必要は無いんじゃないかなって思ってます。
　だって、あの決戦は光太郎が不在の中でゴルゴム侵攻が行われた結果で、じゃあ、あの光太郎が元の時代に戻っても同じ事が起きるのかと言えば、ちょっと違うんじゃないかなって思うんですよね。
　そんな訳で、この妄想では信彦も救われて思い切りハッピーエンドです。
　ちなみにこの後ですが、光太郎は未来世界からの干渉で大門先輩のバイクとバッタが融合した生命体「アクロバッター」を、信彦はゴルゴムから救い出した博士の手で作られた最新鋭マシン「ロードセクター」を手に入れ、文字通り仮面ライダーとしての活躍を続けます。

　最後の風谷光二さんは完全にオマケ、本編内でTV番組「仮面ライダー」を観ていた繋がりで出しました。妄想的には萬画版の歴代ライダーも普通に居る設定だったりします。クロスオーバー展開、大好きです。