小説版落花流水の感想！

　

　
　ＫＲ文庫は「落花流水―花落知多少～花　落つること　知る　多少～（著者：秋月ひろ　原作／イラスト：真田一輝）」の感想です。ネタバレを多々に含みますので、お読みの際はご注意をば。
　
　
　……読んでて悶えますぜ？　この本。
　
　

　
　内容は、短編が四本と序章終章を加えた合計六本です。原作と同じ出来事を扱う話もありますが、微妙に違いがありますので読み比べてみるのもまた一興です。
　
　以下、簡単なあらすじ。

　　
■序章：袖振り合うも多生の縁■
　
　合格発表の直後、秋穂と水夏部長の出会い話です。主な登場人物は葉山秋穂と帆風水夏の二人で、真冬先生は台詞のみ登場します。原作よりギャグが少なめで少女萬画チック？　でも、強引な勧誘集団は健在です（笑）。
　
　
■第一章：衣鉢を伝う■
　
　葉山秋穂達にとって初めての大会と、その練習風景の御話です。主な登場人物は葉山秋穂、帆風水夏、草場春河の三人。早朝自習にて秋穂が行う、水夏部長への「とある告白」が見所です。そして春河も大活躍（笑）。
　
　
■第二章：大山鳴動して鼠一匹■
　
　水夏部長が拾って来た子猫と、その騒ぎの中で並行する悩む春河の御話です。主な登場人物は葉山秋穂、帆風水夏、草場春河、霜月真冬、そして小説オリジナルキャラクターの花鳥若葉の五人。扉絵のセクシーさと、秋穂の危機に血相を変える水夏部長が私のお気に入りです（悦）。そして春河の悩みですが、実は第一章にヒントが隠されてます。
　
　
■第三章：瓜に爪あり爪に爪なし■
　
　水夏部長を求めて桜庭女子高校に潜入する霧香と、それに並行して腰を痛めた真冬先生の御話です。登場人物は松来霧香、霜月真冬、帆風水夏、葉山秋穂、草場春河、花鳥若葉の六人。霧香は災難に見舞われ過ぎです（苦笑）。そして今回は珍しくも、年相応の真冬”先生”の姿を見る事が出来ます。
　
　　
■第四章：鳴かぬ蛍が身を焦がす■
　
　ある日から別行動を取る様になった秋穂と、それに悩む水夏部長の御話です。主な登場人物は葉山秋穂、帆風水夏、草場春河、霜月真冬、花鳥若葉の五人。秋穂と水夏部長がラブラブだ～♪　水夏部長には「押して駄目なら引いてみろ」がかなり有効な様です（笑）。
　
　
■終章：待てば海路の日和あり■
　
　秋穂達が入部してからの一年を振り返る、とある春の日の御話です。登場人物は葉山秋穂、水夏部長、草場春河、霜月真冬、松来霧香、花鳥若葉の六人。やっぱり観覧者でのシーンは外せませんよね～、そして嫌がってない水夏部長（悦）。
　
　
■感想■
　
　文体は三人称で、各章扉絵の裏には題名となった諺の簡単な説明が書かれています。……ふふ、全編を通して秋穂と水夏部長がラブラブでした～（悦）。
　まあ、それは兎も角。内容的には原作で見られる時事ネタが大分減ってるかな？　その分、少女マンガ風味が増してる様な気がします。　
　
　原作とは完全にパラレルワールドの関係らしく、原作で扱われてる主な出来事（第一章の弓道大会や、第二章の弓道場建設やもか騒ぎ等）を原作に沿いながらもオリジナルの展開で書かれています。
　
　上記の通りに時事ネタは減っていますが、原作で印象強いネタ（流鏑馬やら「アメリカン！？」やら簡易ドーピングやら）は、時間列に関係無く沢山入ってますね。登場人物達も、原作同様に個性を発揮しまくりです（笑）。
　
　個人的に気に入ったのは第一章で、原作よりもシリアスな大会の様子が良いですね。まだ”過去”を振り切ったばかりの水夏部長と弓道を「楽しい」と語る秋穂や、大会終盤は射詰め中の空気を前にした”経験者”春河と”初心者”秋穂の違い。……いやあ、読んでて緊張感が伝わって来ましたよ。
　
　それと、第四章は第四章でお気に入りな御話です。終章で春河が言ってますが、正しく「王道」と呼べる秋穂の行動が良いですね。そして秋穂に対する水夏部長の態度も、、初々しくて良いですねえ（悦）。
　
　
　続いてイラストの方。扉絵はその回でメインになる人物が描かれているのですが、表紙を初めとして秋穂と水夏部長は全て一緒に描かれてました（悦）。第四章のは終章のシーンかな？
　第二章の春河はめっちゃセクシーです。そして第三章、、どう見ても真冬先生を先生とは思えません（笑）。
　
　さて、小説オリジナルキャラの若葉は後書きに描かれています。後書き中で真田氏は「本編で描けなかった」と書かれていますが、、そもそもＫＲ文庫のゲストキャラで、本編中の扉絵に登場したゲストキャラってまだ居ない様な気がします（苦笑）。いや、三者三葉は読んでないので分かりませんが。