小説版「武装錬金／Z」の感想！

　
　小説版武装錬金の第二段「武装錬金／Z」の感想です。ネタバレを含みますので、お読みの際にはご注意下さい。
　

　
■内容■
　
　時間列は「武装錬金／／」の後日で、クリスマスイブから年明けの前後に掛けて発生した二つの事件に、カズキ達と”第三の男”が挑みます。
　　
　クリスマスイブの夜、サンジェルマン病院に保管されていた核鉄が何者かの手によって盗まれた！　その犯人をホムンクルスと睨んだ”大戦士長＝坂口照星”は、既に一線を退いていた”防人衛＝戦士長キャプテンブラボー”に事件の調査を命じる。
　防人の元に届けられた核鉄は二つ。それは、必要に応じて二人の元戦士”武藤カズキ”と”津村斗貴子”の助力を得ろと云う事。日常に戻った二人を非日常の世界に戻す事を、防人は躊躇するが……。
　
　一方、カズキ達は寄宿舎の食堂で行っていたクリスマス会の最中、岡倉の起こしたアクシデントで菓子入れ代わりに使っていた古伊万里の高価な大皿を割ってしまう。
　それを弁償する費用を稼ぐ為にバイトを始める一同だったが、皆のバイト先を探してくれた六枡はバイトをせず、徐々に皆との距離を取り始めて……。
　
　防人が調査を命じられ、カズキ達が食堂の片付けに追われていた頃、とある廃屋で一人の戦士が目を覚ました。剣持真希士を名乗るその戦士は大戦士長の特命で別働隊として銀成市を訪れたらしく、その直後に謎のホムンクルスと戦闘、そして敗北していた。
　防人と連絡を取る方法を探したりバイト先でカズキの相談に乗る傍ら、独自にホムンクルスを追跡する剣持。やがて彼は空を翔ける一人のホムンクルスを発見、戦闘になるのだが……。
　
　
■感想■　＊ネタバレ注意！
　
気になった所を章の説明も兼ねて。
　　
■プロローグ■
　
・非日常の事件の始まりです。
・目撃者は桜花のお見舞いの時に登場した、あの眼鏡ナースだと思われます。
・ちなみにこのナース、最初の大音響の時点でかなり動揺してます。人が落ちてもあんな音はするまい（苦笑）。
　
　
■第一章：クリスマスイブの不幸な人々■
　
・日常の事件の始まりとサンジェルマン病院での事件の発覚、そして剣持真希士が目覚めます。
・ミニスカサンタ四人娘が可愛いね（悦）。斗貴子を論したちーちんだけど、実は（イラストでは）足を出してなかったりする。
・そしてブラボーにラブシーンが！　ラブシーンが！！（落ち着けぃ）　それでも消えない七年前の記憶……。
・この時点での真希士への第一印象は「筋肉馬鹿」。筋肉の名前を挙げながらの確認が印象に残る～。
　
　
■第二章：楽しいバイト生活■
　
・バイト生活の始まり、そして真希士がカズキ達と”謎のホムンクルス”と接触します。
・六舛の手際が良いね。恐らくカズキ以外の声真似もしてると思われる。
・電ノコ！？
・真希士、まひろと接触。てか三十個って、、貰う方も貰う方だが渡す方も渡す方だ（笑）。
・真希士、斗貴子と接触。斗貴子にとってまひろは義妹～（悦）。
・かきみーら（笑）。
・カズキ、真希士と遭遇。やっぱり筋肉は自慢なのか。
・真希士の過去話。その過去は今の真希士の性格には似合わぬ程に悲しくて、、直接見てないだけ斗貴子の方がまだマシかもしれない。
・カズキが戦士であった事を知らずに、戦士としての思いに耽る真希士。楽園、か……。
・エロスは程々にな（笑）。
・真希士の武装錬金は「武装錬金∞」にも登場してます。
　
　
■第三章：気になる、気になる■

・バイトの日々、六舛が孤立したりカズキと斗貴子が”謎のホムンクルス”調査に参加します。
・七人の内、初日面接のみは三名。このペースじゃ３０万は無理だろう（苦笑）。
・六枡の言葉は確かに正論。助け合いと馴れ合いは違う。けど、この場合は助け合いだろう。岡倉自身も動いてるし。
・皆の想像も概ね正解（笑）。なんせ、去年の夏休みには火星人と出会った少年ですから（原作第四巻参照）。
・そしてあのメンバーにツッコミは必需か。
・カズキと斗貴子が戦線復帰！　かつて戦士であったからこそ、皆の危機には再び起ち上がる！！
・斗貴子、、頑張れ……（涙）。
・ガスで焚く銭湯なんて銭湯じゃないやい！
・真希士の回復力も、今思えば複線だったのか。そしてやっぱり筋肉は自慢なのか（笑）。
・真希士の過去話：その２。信念の相違時に大切なのは、相手の思いを認めた上で相手と自分との妥協点を探す事、、か？
・嗅ぐなよ、さーちゃん（笑）。
・金髪で甲冑、、愛染自ソラト？（違）
・うん、戦いに素早さは必要。コレが無ければ技も力も意味が無い。でも、立ち止まる事も必要だけどね（どっちやねん）。
・カズキと斗貴子のラブラブ～（悦）。てか、恋人同士で戦士に成るとこういう誤魔化しが出来るんだな。頑張れブラボー、火渡（笑）。
・都会の住民はそんなに冷たいのか……。何だか早坂姉弟の事を思い出すな、、腹立たしい。
・カズキ、初の任務失敗。元戦士と言っても、カズキの場合正規の訓練は受けてないからなあ。おまけに相手が相手だし……。
・でも、そういう実力者相手にこそ小細工は有効だったりする（薀蓄）。
・「サンライト・懐中電灯」って（笑）。
　
　
■第四章：夢見た楽園■
　
・二年参りの最中、遂に”謎のホムンクルス”の正体が判明します。
・斗貴子さんったら初心なんだから（悦）。でも、恋人同士である以上はその誤魔化しが一番普通だと思われる。
・任務中でもラブラブな二人。ちなみに、私は新年だろうと大晦日だろうと人の多さが苦手です（苦笑）。
・神様への願いってのは、自分が叶えようとしてる事を宣言するって人も居たなあ。
・そして密かに個人的な願いも言う斗貴子（笑）。
・真希士の探し人、判明。てか、戦士長の名を民衆の前で声に出すのは戦士としてどうよ？
・素直なカズキに気苦労な斗貴子（笑）。まあ、真希士の方が先に説明するんだし大丈夫だろう。
・そんな嘘でもカズキは信じそう。
・てか、まずは錬金術の説明からしてあげなさいって（苦笑）。
・これで一件落着かと思えば、、空からパピヨン来襲！？
・ちなみに、この時のパピヨンの「ニアデス・ハピネス」は火渡の核鉄を使ったアナザータイプ、、だよな？
・そして真希士の武装錬金の正体、ブラボーとパピヨンの発言で衝撃の事実が明らかに！？
・真希士ＶＳパピヨン！　力対技！！
・ブラボーと元・真希士。悲しい邂逅……。
・自身が人間であることの証明が、丸々ホムンクルスである事の証明になってしまう。
・しかし、あの海軍みたいなアナザータイプと真希士が結び付かないな。どちらかと言えば甲冑みたいな奴にならないか？
・それでも、意識を失っても人を襲わなかったのは、真希士の戦士としての心が根底に有ったからだと思いたい。
・ヴィクトリアの言葉が本当なら、真希士の人食い衝動の強さは尋常じゃないんだろうな。
・カズキの説得。もしもこの時にヴィクター関連の事を聞いていたら、真希士は自ら死を選ぶ事を躊躇っただろうか。
・三本目の腕の変化は、、護る者から壊す者に回った事の証明か。
　
　
■エピローグ■
　
・日常の事件の解決です。
・こりゃ、、まひろちゃん気付いてるな（苦笑）。
・そしてやっぱり六枡は六舛！　バイト組とは別に、密かに岡倉を助けようとしてくれてました（笑）。
・約１２万、、働いた日数を考えると多い方だと思います。
・ちーちんが特に祝いたいのは剛太の方（笑）。そういえば、今回は出番が無かったな。
・岡倉等によって語られる真希士の言葉の数々……。
・だけど、今回の場合は立ち止まって考えれば助けられた様な気がするんだよなあ。
・最後のイラストが胸に来ます。笑顔の真希士と掲示板に残された名前。そして、哀愁を称えたカズキの背中にカズキを気遣う斗貴子。
　


　
　むう、、どうにも今回の”非日常の事件”での結末は納得がいかなかったかな。
　
　今回みたいに、敵と同じ存在になってしまった味方を涙ながらに倒すって話は結構多いよ。で、その大半には”元に戻せない”から”斃すしかない”って理由が付くんだ。
　だけど、本編でカズキも言ってるけど、既に錬金戦団はホムンクルスの再人間化の為の研究を始めてるんだよね。　
　
　某螺旋で鳴海歩がブレードチルドレンに向けた言葉を借りれば「助かる可能性が或る以上、簡単に死を選んじゃあいけない」んだと思うよ。どんなに食人衝動が苦しくても、それを抑えて生き延びなければ成らないんだと、私は思う。

　それと、最後の真希士の一撃はカズキが出なくてもブラボーが防げてたってのがどうにも、ね（苦笑）。てか、真希士が変化を始めた時にブラボーがシルバースキン・リバースを発動させてれば何とか成ったんだよなあ。やっぱ本調子じゃ無かったのかな……。

　さて、そんな訳で結末については腑に落ちてませんが、それ以外は楽しめました！　皆のバイト風景とかも面白かったしね。

　イラストでは、やっぱり四人娘のミニスカサンタコスプレと最後の哀愁に満ちたカズキの後姿が良かった（両極端の良かっただな）。

　後書きを読むと、どうやら既に次の話の構想は出来てるらしいね。それが何時出るのかは分からないけど、今から楽しみにしていようか。