「仮面ライダーＳＰＩＲＩＴＳ」第１６巻・書き下ろし分の感想。

　「仮面ライダーＳＰＩＲＩＴＳ」第１６巻・書き下ろし分の感想です。



　アマゾン＆ＺＸを襲う、ガランダーの魔手！！
　
　　

■登場仮面ライダー■


ライダーマン＝結城丈二（変身せず）
仮面ライダーアマゾン＝アマゾン
仮面ライダーＺＸ＝村雨良


■勇気の士、モグラ獣人■

　さてさて、コミックス書き下ろしの始まりはモグラ獣人の墓前に佇む、アマゾン達からです。

　アマゾンについては本編の方を殆ど観てないので（レンタルビデオが一本しか無かった……）どんな話だったのかネットで調べてみたのですが、、モグラー！！

　自分の身を犠牲にして、毒カビを持ち帰る姿は正に”勇気の士”です。　
　ええ、そりゃあマサヒコも切れるってもんですね。　

■因果応報■

　さて、それでは本編です。

　前回のラスト、ゴードンに蹴り掛かったマサヒコですが、思い切り反撃を受けて吹き飛びます。
　技が掌底な辺り、ゴードンも一応は手加減してるんかな？

　今のモグラ獣人は「トモダチ」では無く、バダンの作り出した亡霊に過ぎない。
　ゴードン、言ってる事は正しいですが……。

　だが、マサヒコも負けじと頭突きで反撃！
　バダンとか亡霊とかを超越している友情、言い方が子供っぽくて良いですね。

　何時までも”亡霊”を信じている姿が癇に障ったか頭突きの痛さか、マサヒコの頭を掴み、投げ飛ばそうとするゴードン。
　しかし、唐突に出現した村雨良の「モンキーアタック」を受けてそのままダウンです。
　
　ざまあ、とか思ったのは此処だけの秘密です。

　笑顔のアマゾンに「出来る！」と言われ、モンキーアタックを特訓中の良。
　がんがんさん（ｂｙマサヒコ）の言葉通り、ライダーの縦社会の恐ろしさを感じますね。
　まあ、ＴＯＰ（本郷さん）が自分から猛特訓する人なので仕方が無い気もします。　
　助けられ、一同を見つめるモグラ獣人は何を思うのか。

　

■失う辛さを知る男■

　一方、良に特訓を命じた本人は崖の上にて、滝和也と会話中でした。

　モグラ獣人の話を聞き、その態度からアマゾンを「良い奴」と認める滝。(超嬉しそう)
　それに対して、アマゾンは良の事を「イイヤツ」と称しました。

　良の目は哀しさを知っている目。
　大事な何かを失って、、それを越えて来た強い目。

　この辺りはライダー側との付き合いも長く、加えて最も早く良と行動を共にした滝としてはバッチリ分かってると思います。

　

■体当たり隊長■

　

　良の事を褒められて嬉しそう滝。
　御機嫌でアマゾンに話掛けますが、彼は魚目当てに海へとダイブ！
　話なんざ、何も聞いてません。
　
　オヤッさんの言葉によれば、アマゾンを手懐けるのは無理だとの事。
　……まあ、そうですよね。

　が、滝も負けじとダイブ！
　滝らしくて良いですが、、やっぱり無理だろうなあ。
　あくまで、滝も良も「トモダチ」だろうから。

■後方支援の副隊長■

　さて、そろそろ繋がらない事に定評が出来そうな滝の無線。
　毎度の事ながら、通信相手はアンリさんです。

　アンリさんは、本部の佐久間とも無線連絡中。
　佐久間の隣には神敬介の姿も。アレだけの激戦を行った後なのに、特にメンテ休みとかは無かったみたいです。(まあ、スカイや２号やＶ３の怪我が異常だったのか)
　
　結城の動向を知らされたアンリさんですが、今度は動揺しませんでした。
　冷静に結城の狙いを分析する彼女の冷静さに、佐久間達も一安心です。

　この冷静な顔が、再会した時にどれだけ崩れるか楽しみですね。(オイ)

　さて、それは兎も角。

　敬介が本部に居たのは、三影について調べる為でした。　
　彼の経歴は現状だと、、元インターポールだとか、洗脳時代の村雨と戦友だったとか、その辺りしか分かってませんか。
　果たして、どんな過去が語られるやら。
　

■悪魔の科学■

　そんな訳で、場面は変わって結城サイド。
　ニードルが操るコマンドロイドに案内されて辿り着いた先は、、数多の科学者達の脳を直結させた巨大データベース！

　……非道ですね。
　科学者の脳を利用したコンピューターは小説版にも登場していましたが、その時は人間としての姿を保っており、脱走する事も出来ました。

　壁一面に広がる、歯の欠けた口とその下に点けられた目。最早、人間としての姿を失っています。これじゃあ脱走も無理だ……。

　脳味噌だけが残されるって設定は、原作版の本郷猛も影響したんでしょうか。
　彼の場合は、身体がズタボロに為ってしまったが故の処置でしたが……。

　それはそうと、データベースの発言によれば、デストロン時代の結城は怪人の特殊兵器開発に関わっていたみたいですね。
　
　……正直、どうして結城がデストロン首領を信じられたのかが疑問です。
　

■時空破断装置■

　伊藤博士もデータベースの一つとして組み込まれていました。
　特撮版ではタイガーロイドに噛み殺された博士ですが、、まだ人間として殺された分、そっちの方がマシだったか。

　舌に針を刺された「痛み」で自我を取り戻す伊藤博士。
　何となく、ＺＸと１号の初戦闘を思い出します。

　変わり果てた伊藤博士の姿に、助けられなかった事を悔やみ、謝罪する結城。
　それに対して、伊藤博士は自身を壊して貰えると答えます。

　困惑する結城に、ニードルの説明。

　時空破断装置、或いは時空破断システム。
　ＪＵＤＯの牢獄を打ち破る、バダンの最終兵器。

　特撮版でも、小説版にも登場した超兵器の名前が遂に登場です。

　巨大データベースはその核を担うらしく、ニードルの説明が終わった途端、伊藤博士は強く自分の、自分達の破壊を結城に訴えます。

　しかし、結城はそれを拒否。
　例え肉体を失おうとも、人間である博士達を壊す事は出来ない、と。

　結城の言葉を聞いた伊藤博士は涙を流し、、失った筈の身体が幻の痛みを感じる「幻肢痛」に襲われて気を失います。　
　
　その様をコマンドロイド越しに笑うニードル。
　思わず結城が睨み付けた時、既にコマンドロイドのコントロールは切れていました。

　無い筈の右腕を翳し、バダンへの憤怒を露わにする結城。
　身体を無理矢理奪われる事の痛みを、彼は良く知っています。　

■サザエに住み着くヤマアラシ■

　コマンドロイドのコントロールを解いたニードルは、サザンクロスの中を移動中。
　
　結城に三影、、そして自分自身と、ＪＵＤＯの復活を望まない者を潜ませている、暗闇大使の意図を訝しみます。

　と、突然ニードルの前に出現する暗闇大使の顔！

　うわ、コレは怖い。
　サザンクロスは暗闇大使の肉体同様、当然ながらニードルの存在にも気付いていたみたいです。

　自身の望みが叶わないと知りながらも、尚もサザンクロス内に止まるニードルを問い質す暗闇大使。
　果たして、ニードルは何を企んでいるのか……。

■強襲ＶＳ待ち伏せ■

　さて、場面は再びＳＰＩＲＩＴＳ側。

　気絶しているゴードンを軽々と担ぎ歩く良を見て「この人は仮面ライダーだよ」と嬉しそうにしているマサヒコが良いですね。
　そう言えば、マサヒコにとってアマゾン以外の仮面ライダーは良さんが初めてですか。

　と、海上より迎えのヘリが漸く到着。
　これで帰れると沸き立つ隊員達、、その目の前でヘリが爆発炎上した！

　その光景を崖の上で、魚を食べながら眺めていたアマゾンと滝。
　吼えるアマゾンが見つめる先、、ゼロ大帝が操る空飛ぶ船の姿が！！

　襲い掛かる怪人軍団。
　しかし、ＳＰＩＲＩＴＳ隊は準備済みの武装で即座に反撃！
　
　何とヘリは無人運転の囮、真のお迎えは船でした。
　そう言えばヘリって、１０分隊のも墜落してたよな、、佐久間さんドンマイ。

■守る為の戦い■

　良達の元へも襲い掛かるガランダー＆ゲドンの怪人軍団。
　目を覚ましたゴードンがクロジューシャを殴り飛ばした、まさにその時！　モグラ獣人の背後からキノコ獣人が迫る！！

　モグラ獣人は、またもや因縁の相手に葬られるのか。
　否、そんな事はアマゾンが許さない！

　森林の中から高速で駆け付け、キノコ獣人を攻撃するアマゾン。
　良がゴードンを下ろし忘れる程の一撃です。

　キノコ獣人の反撃を躱し、アマゾンは良達の元へ。
　良に向かってアマゾンが発したのは、初合流時と同じ「守る」でした。

　と、ここで滝が遅れて合流。
　マサヒコ、遅いって、、これでも頑張って追って来たんだよ。

　滝の言う通り、良の生き様は紆余曲折でしたね。
　バダンの一員として戦い、女の涙を止める為に裏切って、復讐の怒りに震え、仮面ライダーとして立ち向かう。

　……最初の「バダンの一員として戦い」ってのが、色々と複雑にしてるんだよな。
　他のライダーは脳改造前に脱出した「被害者」なのに対して、良は「加害者」でも有る。
　しかも加えて、敵の大ボスが復活する為の器だもんなあ。
　

　何故守るのか、アマゾンと共に戦ったマサヒコの持つ答えはトモダチだから。
　
　さあ、良とアマゾンがＷ変身！
　直後、電磁ナイフとヒレカッターはキノコ獣人を斬殺した！！

■空から来た凄い奴■

　異色の（ｂｙ滝）天然（ｂｙゴードン）ダブルライダーと共に奮戦するＳＰＩＲＩＴＳ隊。
　しかし、ゼロ大帝が操る飛行船の砲撃に晒されてしまう。

　と、その時。
　蒼穹に飛行機雲を描きつつ、一台のマシンが駆け付けた！
　
　思わず飛び出たＺＸ、そう。
　駆け付けたのはヘルダイバー！！

　いや、正確には未だ「ヘルダイバー」では無いらしいです。（公式ガイドブック参照）

　マシンのバルカンで飛行船を攻撃するＺＸ。
　攻撃はバリアーに防がれますが、一歩も引かずに攻撃を続けます。
　
　ＺＸの奮闘に沸き上がるＳＰＩＲＩＴＳ隊。
　その中で一人、ウェイ・ペイだけは別の人物を見つめていました。

　それは……。
　　

■ヤマアラシの策略■

　ＺＸが飛行船に挑んでいる最中、アマゾンは地上の怪人達を大切断で一掃してました。

　が、魔法陣から顔を出していたニードルが針を刺した事で復活！
　身体をバラバラにされた状態で、アマゾンへと迫る！

　どうでも良いですが隊長、戦って下さい。（すっかり忘れてますが病み上がりです）

　またもアマゾンに倒される怪人達。
　しかし、その内の一体が頭部だけの状態でアマゾンの左腕へと噛み付いた！
　
　と、それを打ち払ったのはモグラ獣人！！
　照れてる様なモグラ獣人と、嬉しそうなマサヒコが可愛らしくて良いですね。

　アマゾンに向かって、トモダチの構えを取ろうとするモグラ獣人。
　だが、、無情にもニードルの針が、その背中に突き刺さった！

　トカゲロイドの時と同様、巨大に、凶悪な姿に変わってしまったモグラ獣人。
　マサヒコの絶叫が痛い、、おのれニードル……！
　
　樹の上に立ち対峙したアマゾン。
　構えたのは、、トモダチ。
　
　涙を流すモグラ獣人に、泣くなと。
　オマエは悪くない、と。
　
　駆け出すマサヒコ。
　その目の前で、モグラ獣人の巨大な腕が振り下ろされた……！


　アマゾンの、左腕が、切り裂かれた。

　
　モグラ獣人は駆け付けたウェイ・ペイが背中の針を抜く事で沈黙。
　ウェイ・ペイはニードルを「師匠」と呼んで……？


　一方、上空。
　ギギの腕輪の回収を急がせようとするゼロ大帝に、一部始終を見ていて怒りに燃えたＺＸが迫る！

　敵の攻撃を躱し、飛行船へと特攻するＺＸ！
　飛行船が大爆発を起こした所で、次回へと続きます。


＊

　そんな訳で、遅ればせながら１６巻の書き下ろし感想でした。
　本誌での連載が中途半端だった分、ガッツリ書き下ろしされてましたね。
　
　ニードルの正体って何者なんでしょうね。
　確か以前、ニードルは特別みたいな事を誰かが言ってた気がするけど、さてはてどうなんでしょうか。