そして戦いは始まった。

　

　昨日、あんだけ大敗したんだし、流石に今日は来ないだろう。
　……そう思っていた時期が、私にも有りました。



　おやおや。




　……。




　アレが昨日、ヒロト達とガキ共を襲った連中か。



　不死蝶団、戦闘団員。
　何と言うか、あんなに居ると気持ち悪いわね。



　まさか、連日で来るとは思いませんでしたね。
　しかも……。



　ふふっ。
　アレが悪魔と、その使いね。



　……。



　まさかトップまでが直々に……。

　

　不死蝶団、代表。
　不死身の使童……！



　隣に居る子は誰？
　まさか人質って訳じゃ……。



　おやおや、、だとしたら、厄介ですね。



　どうします？　ヒロト。
　スカイガオンで奇襲する事も出来ますが。

　

　や、先ずは私が出て様子を見よう。
　皆は後ろで待機、妙な動きを見せた時は、援護宜しく。



　ああ、分かったぜ。
　
　

　初めまして、暮森ヒロト。
　……死者蘇生を行う、悪魔！



　初めまして、不死身の使童さん。
　ちなみに私は悪魔じゃなくて、吸血鬼さ。
　似非だけど。



　いやいや、煽らなくて良いですから。



　似非吸血鬼ってか、化物って言った方が合ってるよな？



　その程度の見分けも付かない人間が代表、、不死蝶団の未来は暗いわね。



　おやおや、、どうせ今日の戦いで壊滅するんですから、問題無いと思いますよ？
　
　

　だから、煽らない！！



　ふん、余裕って訳？
　神の御業を受けた私を前に、その不貞不貞しい態度、、正しく悪魔に相応しいわね。



　生憎、喧嘩を売ってくる様な相手に友好的な態度を取れる程、私の心は広く無いんでね。
　剰え、、黄泉路の縁から戻る事の出来た子供達にまで、手を出そうとしやがって……。



　ふん、アレはもう人間じゃないわ。どんなに内面が同じでも、一度死んで甦った人間の身体は、悪魔の手で変えられてしまっているもの。
　あんな似非人間、回収して処分するのが世界の為なのよ。



　なっ！
　ヒロトの蘇生は、そんな怪しい術じゃないですよ！！



　それに、人間にとって重要なのは、外見じゃなくて中身だぜ。
　それまで否定しやがるってのは、あんまり頂けねえな。



　ふん、そんな綺麗事や詭弁は聞かないわ。
　貴様等の様な悪魔、その使い魔、そして似非人間、全て我が不死蝶団が討滅する！
　神の御業を受けた、選ばれし人間である、この私が！！




　使童様、万歳！！
　不死蝶団、万歳！！　
　



　おやおや、、大した熱狂振りですねえ。



　あんな詭弁以前の戯れ言で盛り上がれるんだから、不死蝶団って楽で良いわね。
　


　全くだねえ。
　……さて、これ以上の演説は遠慮して貰おうかな。
　耳が腐っちまう。（チャキン）



　口で敵わないから武力行使とは、所詮は悪魔ね。
　さあ、行きなさい愚図！（ドン）



　……。



　初めに手を出して来た、貴様等が言うな。
　そして、この期に及んで人質戦法が通じるとでも？



　人質？　何を勘違いしてるのかしら。
　この愚図は人質なんかじゃないわ、悪魔を討ち滅ぼす為の



　……はい。


――ダン！！
　


　道具よ！！



　なっ！？
　……。


――ヒュン！


＜続く＞