自分の為か、誰かの為か。

　

　なっ！？



　ば、爆弾がこっちに！！
　


　う、うわあああああああ！？


――ドオオオン！！



　はぁ、はぁ、間に合った……！



　大丈夫ですか、皆さん！！（ピョコ）



　義母さん！
　それにミラージュさんも！！



　二人共、ナイスタイミングね。



　助かったけんが、どうして此処に居んだ？
　確かヒロト達が、連絡通路に避難させてたよな。



　あははは、、何か有った時に直ぐ動ける様って、護符を準備して待機してたんです。



　にゃふ、前に蜘蛛怪人が襲って来た時も、５人だけじゃどうにも出来なかった事が有ったからね。



　おやおや、、これは耳が痛いですね。



　もう、危ないから避難させたのに。
　……ありがとう、助かったよ。
　御陰で私の左腕も、、この子も無事に済んだ。（ポンポン）



　あっ……。



　初めまして、可愛いお嬢ちゃん。
　もう怖く無いから、大丈夫だよ。（なでなで）



　んぅ……。



　あの悪い人達は、爆弾で吹き飛んじゃいましたからね。
　もう安心です。


――ガタン。

　アンタ達、、よくも……！



　っ！（ビクン）



　ぬっ、使童。（むぎゅぅ）



　ふえっ！？



　おやおや、、見事なフラグ回収ですね、ミラージュさん。



　え、私の所為ですか！？
　私の所為なんですか！？



　いえいえ、一応は”不死身の使童”らしいですから、これ位は想定内ですよ。



　が、愛しのイエスマン達は爆発でオジャン。
　残すは手前だけだぜ！！



　降伏するなら、今の内よ。
　サンドバックを御希望なら、止めないけど。



　ふん、私だけですって？
　……冗談じゃないわ！（ポチッ）



（また別のスイッチ！？）


――ギギギッ。



　この音は……！



　戦斗員、信者モード解除！
　リミッター解放！！
　


ギギィ！！



　なっ！？



　おやおや、、これは……。



　ふん、コレこそが戦斗員型人造兵器「桜ロイド」本来の姿！
　知能は信者形態よりも劣るけど、その分、戦闘力は十数倍に跳ね上がるのよ！！



　桜ロイド！？



　ああ、成程、、信者も手作りだった訳か。
　道理で先日の戦斗員、倒した途端に泡に為った訳だ。



　てっきり、本物の信者に口封じの改造手術でも施していると思ったんですけどね。　
　イエスマンの人形を携えた一人芝居、なんともまあ……。



　そんな口を聞けるのも此処までよ！
　さあ、戦斗員。あの悪魔と愚図を討伐しなさい！！




　ギギィ！！



　観風、この子を頼む。



　はい。（むぎゅぅ）



　あ、あのっ。



　大丈夫、直ぐに片付けるから。
　そして全てが終わったら、そうだねえ。
　君に名前をあげよう。

　

　っ！



　あんな奴が言った様な物じゃ無い、ちゃんとした名前を、ね。
　だから、、安心して待っててね。（なでなで）



　……ん。（コクン）



　ふん、そんな三文芝居、見飽きたわ！




ギギィ！！




　……行くぞ、皆！
　疾風連弾！



　黒炎放射！！



　スパイラルガン！



　爆雷滅射！！



　シールドハンマーシュート！



――キュイイイイイン……！！



ギィッ！？



――ドオオオオオン！！




　……はぁ！？



　やった！



　……っ！！



　……えっ？
　な、何よコレ。



　……。



　十数倍よ、十数倍。
　それが、百人近くも居たのに。



　……。



　それが、何？
　一撃で、吹き飛ぶって。



　……。



　全滅って。
　可笑しいでしょ、ちょっと。



　……。



　何なのよ、アンタ達。
　一体、、何なのよ！！



　おやおや、、未だ、分かりませんか？



　確かにアンタの人形共は、数十倍にパワーアップしてたかもしれねえ。



　けど、私達の背中には、アンタみたいな馬鹿に捕まってた所為で非道い目に遭ってた子が居る。



　そんな子供を護る為なら、俺達は無限大に強く為れるんです。



　数十倍の100人未満ＶＳ無限大の５人、、まあ、勝負は見えてたわな。
　


　クッ！
　こうなったら、一度撤退して……！！



『残念だが、そうはいかん』



　なっ！



『不死身の使童、君のアジトは私が制圧させて貰った』



　闇さん！
　スライム村の方は？



『ふっ、分身はオマエだけの特権じゃないぞ？』
『安心しろ、本体はスライム村に残り、護衛を続けている』
『尤も、その必要も無いだろうがな』



　どあっ！？



　あはははは、、相変わらず、美味しい所を持っていきますね。
　


　全くね。
　でも御陰で、、完全にチェックメイトかしら？



　……。



　おやおや、、素直に投降した方が身の為ですよ？
　


　……こうなったら！（ガサリ）



『むっ』



　この小型エネルギー爆弾で、アンタ達を丸ごと焼き払ってあげるわ！
　生き残るのは、不死身の私だけ……。


――ダンッ！



　往生際が、悪い！（バシン）
　あぐっ！（ビクン）


――ズシャッ。



『……当て身か、、何時の間に憶えたんだ？』



　ふふ、ライダーの戦いを観ている内に、何時の間にか。
　如何に不死身でも、この技には耐えられなかったみたいだね。



　まあ、死んでませんからね。
　ともあれ、漸く終わりましたか。



　動きを止めるなら、俺の電撃でも良かったんだけどな。



　あら、私だって手足を撃ち抜く位はしたかったわよ？



　おやおや、、小さな子供も居るのですから、あまり激しい事は止めておきましょうね。



　ヒロト、皆、お疲れ様～♪



　皆さん、大丈夫ですかー！？



　ああ、お疲れ様。
　今回はそれでも簡単、、お？


――むぎゅぅ



　……。



　あらら。



　ふふ、よしよし。
　良い子だねえ。（なでなで）



『……ふっ、取り敢えずは一件落着、だな』


＜続く＞